<高校野球秋季東京大会:日大三4-0国学院久我山>◇決勝◇24日◇神宮第2

 今春センバツ準優勝の日大三が国学院久我山を4-0で破り、9年ぶり12度目の優勝を決めた。今秋からエースナンバーを背負う吉永健太朗投手(2年)が5安打10奪三振で完封した。これで、来春のセンバツ出場が確実となった。また東京代表として、明治神宮大会(11月13日開幕、神宮)に出場する。

 吉永の右腕が、名門に9年ぶりの秋季大会優勝をもたらした。最速147キロを誇る直球は本調子でなかったが、チェンジアップ気味に落ちるシンカーを織り交ぜて5安打10奪三振。7回、2死満塁のピンチは、落ち着いて中飛に仕留めた。「序盤は荒れたけど、0点に抑えられてよかった」と胸をなで下ろした。

 今夏は準決勝で兄弟校の日大鶴ケ丘に敗退。秋からエースになり「責任感が最初はマイナスに働いた。でもやるしかない」と切り替えた。ブロック予選から7試合の登板で、エースの自覚も芽生えてきた。

 この勝利で、来春のセンバツ出場が確実になった。今春は惜しくも決勝で興南(沖縄)に敗れたが、準優勝旗を全員で返還しに行ける。吉永は準決勝で2イニングを投げ、1発を浴びて降板した苦い記憶がある。「借りを返したい。今度こそ優勝したい」と、5カ月後の甲子園へ静かに闘志を燃やし、冬の鍛錬に臨む。