<高校野球大分大会:森2-1中津北>◇13日◇1回戦

 9日の開会式後に監督で教員の重光孝政さん(享年44)を亡くすバス事故に見舞われた森が、中津北との初戦に勝利した。故重光前監督の娘でマネジャーの咲希さん(3年)も、控え部員と一緒に声を張り上げて応援した。勝利の瞬間は喜びを爆発させ、校歌斉唱の際は涙ぐみながら一緒に歌った。

 事故後、咲希さんも入院した。小野監督が顔を合わせたのは、試合前日の練習終了間際という。「言葉は交わしていないが、本人の思いはある程度感じている」。咲希さんは試合後、関係者を通じ「1人1人が監督の教えである全力疾走をまっとうして、勝利につながったことをうれしく思います。1試合でも多く戦って、監督の野球を心に残していってほしいです」とコメントを発表した。

 また、重光さんの和佳枝夫人も同様にコメントを発表。「重光野球の根幹である全力疾走をしてくれ、感動しました。すべてがひとつになった1勝は、何ものにも替え難いものです。主人も心から喜び『よくやった』と選手に声をかけているはずです」とした。