<高校野球兵庫大会:報徳学園5-2市尼崎>◇13日◇2回戦

 兵庫連覇を目指す報徳学園は市尼崎に逆転勝ち。昨夏甲子園4強右腕の田村伊知郎(2年)が自己最多15奪三振に公式戦1号と、投打で活躍した。

 報徳学園の夏が、イチローのワンマンショーで幕を開けた。昨夏、スーパー1年生として甲子園を沸かせた田村が、センバツ初戦敗退の雪辱をかけた夏に登場。毎回の15奪三振と自らの公式戦1号2ランで市尼崎に5-2で逆転勝ちした。

 1、4回とミスが絡んで失点する嫌な流れだったが、中盤に地力を発揮した。無安打のまま迎えた6回、1死満塁から4番越井勇樹外野手(3年)が右中間を破る逆転の三塁打。なお2死三塁で、田村が右翼ポール際に運ぶ2ランで続いた。自身の公式戦1号に「まさか入るとは」とびっくり。投げても5回以降は3人ずつでピシャリ抑え、終わってみれば毎回の15奪三振、4安打2失点完投という圧巻の内容だった。

 逆転勝ち発進となった永田裕治監督(47)は「後半立ち直っていい投球をしてくれた」と胸をなでおろした。

 1年夏から甲子園で5試合に登板した右腕も今春のセンバツでは、まさかの初戦敗退。挫折が肥やしになった。「やってきたことは間違ってないと信じ、昨夏のように思い切りやる。春はズルズルいったが、失点してから切り替えられたのがよかった」。成長を実感する右腕が、3度目の聖地へ走りだした。