<高校野球滋賀大会:近江兄弟社1-0八日市南>◇23日◇2回戦

 近江兄弟社の本格派右腕、押谷鷹英投手(3年)が、滋賀大会初の完全試合を達成した。八日市南戦で103球を投げ、三振4、内野ゴロ15、外野フライ6、内野邪飛1、内野ライナー1の内容。最後の打者を二ゴロに打ち取ると、抑えていた感情を解き放ち、雄たけびをあげた。

 打たせて取る持ち味を発揮した。「全部、狙ったコースに投げられた」。180センチ、80キロの恵まれた体から、140キロ近いストレートに、カーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップ、フォークと、多彩な変化球をからめて打ち取るスタイル。走者を背負ってから粘るのが特長だが、完璧な制球で、粘りを見せる余地もなかった。

 森地(もりち)道之監督(35)も驚いた。「援護が初回の1点しかなかったので、いい緊張感で投げられたのかもしれません。今まで一番いい投球。7回に1、2、3番を抑えて、これはいくなと思いました」。

 近江兄弟社は、93年夏に甲子園初出場して以来、夢の舞台から遠ざかっている。目標まであと4勝。押谷は「まだ2試合勝っただけ。1つ1つの試合を大事にしたい」と、表情を引き締めた。