<全国高校野球選手権:光星学院5-0作新学院>◇19日◇準決勝

 あと1つ、頼んだぞ!

 光星学院が青森勢42年ぶりの甲子園決勝進出を決めた19日、地元は喜びに沸いた。東日本大震災の被災地でもある八戸市では、小林眞市長が光星学院体育館で、生徒と一緒に大型スクリーンに声援を送った。県全体が三沢準優勝以来の快挙に拍手。今度こそ優勝だ!

 と東北初の大旗への願いを熱くした。

 大歓声がとどろいた。約600人の生徒、保護者、教職員らが集まった八戸市の光星学院体育館。1度公務で中座した小林市長が戻って間もない8回裏、川上がホームランを放った瞬間だ。生徒たちが勝利を確信したように、黄色のメガホンを振り上げた。

 9回表、沢右翼手の好返球で劇的な幕切れの勝利に生徒たちは跳び上がった。小林市長と法官新一校長らはバンザイを繰り返し、がっちり握手。法官校長がマイクで「明日が最後。頂点を目指してみんなで頑張ろう!」と呼び掛けると、生徒たちは「絶対優勝だ!」「きっとやってくれる」と叫んだ。

 小林市長は「素晴らしい試合で感動した。八戸市など東北の被災地に勇気を与えてくれた。ここまで来たら優勝旗を東北に持って来てほしい」と話した。光星学院には福島県をはじめ東北各県から「東北のために頑張って優勝してください」と応援、激励のメールが多数寄せられ、東北中の期待が集まっている。

 青森勢では69年、太田幸司投手擁した三沢が準優勝して以来、42年ぶり2度目の決勝進出。三村申吾知事は「あと1試合。チーム一丸となって優勝目指して頑張ってください。県民挙げて応援しています」とのコメントを発表した。今日20日は小林市長、三村知事、橋本都県教育長が甲子園に駆けつける。東北の、青森県の歴史が塗り替えられるか。運命の日がついに来た。【北村宏平】