<全国高校野球選手権:日大三11-0光星学院>◇20日◇決勝

 八戸市の光星学院(青森)では、体育館に生徒教職員のほか市民も多数詰めかけ、約700人が大型スクリーンを通して声援を送った。敗戦の瞬間は静まりかえり、泣きだす女子生徒の姿も見られた。だが「準優勝だ!」「立派だ!」の声が上がり、全員が立ち上がって大きな拍手を送った。

 最前列で声援を送った元野球部OB会長の畑中徳寿さん(71)は、56年創立時の1期生。「私たちの時は甲子園出場ですら夢のまた夢。それが今回は準優勝してくれた。ナインにありがとうを言いたい」と涙のにじんだ目で話した。

 上寺響さん(34=小学校教員)は長男の柊生介(しゅうすけ)君(4)を連れて応援に来た。柊生介君のシャツの背中には「ぜんこくせいは」の文字。上寺さんは八戸野球部OBで、2年の時甲子園出場。自身はベンチ入りできなかったが「甲子園は忘れられない。光星ナインは決勝まで来て大したものだ」とねぎらった。

 法官(ほうがん)新一校長は「準優勝は地域の人たちに頑張る力を与えてくれた。あらためてここからスタートです」と力を込めた。【北村宏平】