<高校野球北北海道大会:帯広農8-5稚内大谷>◇14日◇1回戦◇帯広の森

 えっ、ウソ!?

 本盗!?

 帯広農が2回、山田和哉中堅手(3年)の本盗から一挙7得点。主導権を奪い稚内大谷を振り切った。観衆だけでなく、味方のナインも見逃し、ベンチに戻った山田の“事情聴取”をしたほどのビックリ先制点。山田は「どこかで突破口を開きたかった」と胸を張った。

 2回2死一、二塁から、右前打で二塁走者の山田は三塁に進塁。オーバーランで、相手の様子を観察。返球のボールを持った投手がマウンドに歩き、捕手が約2メートル後方に投げ飛ばしたマスクを拾いに行くところだった。「捕手が背中を向けていたので」。足からのスライディングで生還だ。

 チームでも「4番目くらい」という俊足で、練習試合でも例のないビッグプレー。実家は本別町勇足(ゆうたり)で育成牛約400頭を飼育する酪農業を営み、牧場内で走り込んできた中堅手が、まさに勇ましい足を見せた。