<高校野球青森大会:柏木農6-0八戸>◇14日◇2回戦◇青森市営球場

 勝利の瞬間、柏木農の2年生エース・佐藤建が静かだが力のこもったガッツポーズをみせた。伝統校八戸を3安打4四死球3三振、投球数103球で完封。8回には2死満塁のピンチを招いたが、冷静に投ゴロで得点を与えなかった。野手は8安打で6点、無失策の守りでもり立てた。

 佐藤建は「シンカーがよく決まって打ち取れた。8回は緊張が出てしまったが、リラックスを自分に言い聞かせた」と振り返った。最速は115キロ。シンカー、カットボールを交え、コースを突いて打ち取る。シンカーは中学時代に習得したという。

 春はバランスが悪かった。石岡和広監督(37)は「メチャメチャでした」と明かした。6月から佐藤建を含め投手陣に課したのが、タイヤに乗り「くの字」になって投球する練習だ。

 1日20分、大きめの古タイヤに乗って投げた。「すぐに効果を感じた。続けるにつれてコントロールが良くなり、球の切れも増した」と佐藤建はいう。

 柏木農は夏の大会ベスト4が最高。最近では09年ベスト16入りがある。次は春準優勝の弘前学院聖愛が相手。佐藤建は「3年生の先輩たちにできるだけ長く大会を戦ってもらえるよう頑張る」と闘志をみせた。【北村宏平】