<高校野球青森大会:五所川原工7-6東奥義塾>◇19日◇4回戦◇弘前市運動公園球場

 五所川原工がシード校の東奥義塾を破り、15年ぶりのベスト8進出を決めた。

 五所川原工が見事な先制攻撃をみせた。初回、エースで4番の成田佳史(3年)の2点右前適時打を皮切りに、相手投手の乱調にもつけ込み、3安打3四球で一挙5点。先発の成田佳は終盤反撃されたが、須藤将平(3年)へのリレーで逃げ切った。

 成田佳は8回途中で軸足の右足がつり降板。1点差の接戦を制し、うれし涙を流した。「私立のシード校に勝ってベスト8進出が第1段階の目標。達成できてうれしい」と成田佳は言う。昨秋県大会初戦で東奥義塾に1-3で敗れ、そのリベンジも目標だった。

 五所川原工では4年前から青森県スポーツ科学センターのアスリートプログラムサービスを受けている。体力測定、動作分析などとともに力を入れたのが心理サポートだ。スタッフが学校を訪れ、長い時は4時間、プログラムを実施する。野球面、生活面の目標を部員が話し合って決める。

 目標の言葉は部室やトイレなど目立つ場所に張り出す。また部員たちのデータは神幸久監督(50)に提出される。「今の高校生の考え方や各部員の素顔が分かり、とても参考になる」と神監督。何より具体的な目標が定まり、それに向かって一丸となって突き進むことが促進された。

 92年夏には決勝に進出した伝統校。次の目標はもちろん優勝だ。【北村宏平】