<高校野球北北海道大会:旭川工2-1遠軽>◇20日◇決勝◇帯広の森

 「左軍団」の旭川工が、7年ぶり5度目の甲子園切符をつかんだ。先発1~8番に左打者8人を並べた打線は、残塁15と攻めあぐねたが何とか2点をもぎ取った。そのリードを左腕エース官野峻稀(3年)が5安打1失点で守り抜いた。「低めの変化球が良かった。冷静に投げることができた」と笑顔で振り返った。

 予選6試合中5試合で完投と、今年も左腕が支えた。かつては星野(現オリックスコーチ)、佐藤桂一監督(55)就任後は、元ロッテ鈴木、西武の武隈を輩出。佐藤監督の方針で、投手経験の有無にかかわらず、入学した左利き選手全員に投手としての適性チェックを行う。左の特殊性、利点にこだわり、ほぼ毎年左腕を主軸に置くが、今年はナックルボールも操る官野だった。

 主力クラスが入学時から左打者で、左8人打線は偶然のたまもの。「このチームは大砲がいないから、たまたまそろった左打者でいやらしく攻めている」(佐藤監督)。当然ながら今大会34打点のうち32打点を左打者がたたき出した。佐藤監督は「(攻守の)バランスの良さとまとまりがある」と話す左軍団を率いて、甲子園初勝利を目指す。

 ◆旭川工

 1941年(昭16)創立の道立校で、全校生徒数は831人(うち女子51人)。野球部は46年創部。部訓は「誠意・熱意・創意」。甲子園出場は夏4度(91、96、02、05年)で未勝利。部員数は71人。主なOBに星野伸之(元阪神)、鈴木貴志(元ロッテ)、武隈祥太(西武)らがいる。所在地は北海道旭川市緑が丘東4条1丁目1の1。川崎博正校長。◆Vへの足跡◆◇旭川地区大会2回戦9-0旭川龍谷代表決定戦8-0羽幌◇北北海道大会1回戦4-2旭川東準々決勝3-2北見北斗準決勝10-0帯広三条決勝2-1遠軽