<高校野球青森大会:光星学院6-2弘前工>◇21日◇準々決勝◇青森市営

 弘前工が光星学院に善戦したが敗退。就任35年目、今年度で退職する横浜寿雄監督(59)が最後の夏を終えた。

 横浜監督が最後の夏の最後に戦った相手は、夏春連続甲子園準優勝の光星学院だった。6回まで2-2の同点と互角に戦い、いぶし銀の采配をみせた。最後は敗れたが「秋は地区予選敗退と力のないチーム。それがよくここまで頑張った」と快進撃でベスト8入りしたナインをたたえた。

 岩手・橘から日大卒業後、弘前工に赴任。76年センバツで同校初の甲子園出場時はコーチだった。78年監督に就任すると80年には夏の甲子園初出場。84年秋の東北大会優勝で翌春センバツ出場。88、89年と夏の甲子園に連続出場し、89年は69年の三沢(準優勝)以来20年ぶりの青森勢白星を飾り、ベスト16に進出した。

 弘前工の、いや青森県の高校野球の歴史をつくってきた。「悔いの残る試合ばっかりですよ」と笑う。野球哲学は「セオリーが一番。当たり前のことができれば勝ち進める。できなければ負ける」。また「教えてうまくなれるものではない。選手が自分でうまくならないと」という。

 鎌田将主将(3年=二塁手)は「どんなに体調が悪くてもグラウンドに出る。補欠にもていねいに指導してくれる。最高の監督さん」と感謝。しかし「最後の夏に甲子園に連れて行ってあげられず残念です」と目に涙をにじませた。【北村宏平】