<高校野球山形大会:山形中央4-2山形城北>◇21日◇準々決勝◇荘銀・日新スタジアム

 山形中央が山形城北を下し、春の村山地区第2代表決定戦で、県切符を奪われた雪辱を果たした。

 今夏、スランプに苦しんでいた山形中央・高橋凌の一振りが、チームを救った。2-2の8回2死二塁。右打席から振り抜いた打球は、大きな軌跡を描いて左翼フェンスを越えた。公式戦初本塁打。高橋凌は「3回戦までノーヒットでチームに迷惑をかけた。それでも監督は使ってくれました。うれしくて手が震えました」と振り返った。

 この夏からクリーンアップを任された。3番打者の初戦から4番に座った2、3回戦まで3試合で計9打数無安打(4三振2四球)。「つらくて、あまり眠れませんでした」。だが庄司秀幸監督(36)に「神様に試されているんだ」と励まされ、メンタル・トレーナーから「眠れない時は活躍することをイメージしなさい」と助言を受けた。

 初回1死二、三塁の第1打席で適時中前打を放ち開眼。長いトンネルを抜け、3安打3打点と復活した。右横手投げエース須貝勇哉(3年)も7安打2失点で2戦連続完投。高橋凌は「須貝さんが頑張っているので楽にさせたい」と打撃での援護を誓った。ノーシードから4強入り。山を越え、谷間を切り抜けた庄司監督は「1戦1戦に集中させたい」と万全の調整で残り2試合に臨む。【佐々木雄高】