<高校野球青森大会:光星学院5-3弘前学院聖愛>◇26日◇決勝◇青森市営球場

 光星学院が弘前学院聖愛を下し、青森県初の4季連続甲子園出場を決めた。3-3の同点から8回裏、5番武田聖貴一塁手(3年)の右越え2ランで勝ち越し。城間竜兵(3年)が3失点(自責2)で完投した。夏春連続甲子園準優勝校が、苦しみながらも県を突破。いよいよ三度目の正直の大旗取りに挑戦する。

 最後の打者を中飛に打ち取ると、光星学院・城間が高々と両手を上げた。主将の田村龍弘捕手(3年)らナインが飛びついた。ベンチから駆けだした控え選手も一体となり、人さし指を突き上げて体を弾ませた。ついに4季連続甲子園の偉業を達成した。

 この日午前、エースの金沢湧紀(3年)がアクシデントに見舞われた。青森中央学院大グラウンドでバントの練習中、打球を右目に当て、病院に急行した。幸い大事に至らなかったが、眼帯を着けてベンチ入り。城間の先発は予定通りだったが、金沢への継投は不可能になり、チームに緊張が走った。

 「あれでナインが奮起した」と仲井宗基監督(42)は振り返った。城間は3回戦の青森山田戦以来の先発完投。「初回から気持ちで投げた。甲子園へ行きたい気持ちの強い方が勝つと信じた」と声を弾ませた。8回1死二塁、城間は打席に向かう武田に「お前が決めてくれ」と声を掛けた。

 「好投の城間に応えたかった」。武田は青森山田戦の延長10回表、決勝の2点二塁打を放ったのに続き、大事な場面で決勝打を放った。「打ったのはカーブ。カーブ打ちを練習していて、相手投手が投げた瞬間、その感覚がよみがえった」という。その前には、4番北條史也遊撃手(3年)が左中間二塁打で勝ち越しをお膳立て。3番田村も3安打2打点と中軸が働いて接戦を制した。

 仲井監督は「うちは打撃のチームといわれるが、実は投手中心の守りのチーム。攻撃はつないでつないで中軸に回す。その持ち味を甲子園でも出したい」という。今大会は初戦の三沢戦(2-1)、3回戦の青森山田戦(8-6)など苦戦続き。勝ち抜いたのはここぞの場面での勝負強さと「粘って粘ってチーム一丸で戦う」(田村)姿勢だ。

 青森県で3季連続甲子園は三沢(68年夏~)、光星学院(97年春~)、青森山田(04年夏~)の3度。光星学院がついに歴史を塗り替えた。次の歴史のページはもちろん、みちのく初の大旗だ。仲井監督は「全国レベルのチームが青森にいる。弘前学院聖愛さんの分も甲子園で頑張って、思い切り力を発揮したい」と青森代表としての悲願のV奪取を誓った。【北村宏平】

 ◆光星学院

 1956年(昭31)創立の私立校。生徒数は1070人(女子550人)。硬式野球部は学校創立と同時に創部。センバツに6度出場。主なOBは巨人坂本勇人、ソフトバンク下沖勇樹、ヤクルト川上竜平。所在地は青森県八戸市湊高台6の14の5。橋場保人校長。◆Vへの足跡◆2回戦2-1三沢3回戦8-6青森山田4回戦11-0八戸北準々決勝6-2弘前工準決勝5-1大湊決勝5-3弘前学院聖愛