<全国高校野球選手権:宇部鴻城12-7佐世保実>◇17日◇2回戦

 佐世保実(長崎)の左腕2人が力尽きた。3点のリードをもらって投げていた先発のエース木村隆志(3年)が5回、先頭の友永から3連続長短打を浴び2失点。なおも無死一塁で2年生左腕の木下愛が救援も、最初の打者金丸に被弾。あっという間の4失点で逆転され、点差が開く一方に。9回に永谷、浦の連続適時打で3点を奪ったが、中盤の失点が重すぎた。

 木下は「3年生に申し訳ないとしか言いようがないです」とうなだれた。長崎大会開幕2週間前の練習試合で犠打を試みた際、自打球を左前頭部に受けた。長崎に戻ったあとに手術を控える身で3イニング63球を投げたが、7失点。8回無死一塁で、木村が一塁から再登板した。「相手は2ストライクからの粘り強さとスイングがすごかった。でも外角に逃げて打たれるならインコースで勝負しようと全力で立ち向かった」と力を振り絞った。初戦突破の喜びと16強のカベの厚さを知った今夏の経験を、夏春連続出場への糧にする。【堀まどか】