<高校野球香川大会:丸亀8-1尽誠学園>◇26日◇決勝◇レグザムスタジアム

 丸亀が決勝で尽誠学園を下し、13年ぶり4度目の甲子園出場を決めた。初回に湯田諒平(3年)の押し出し死球で先制すると、3回には再び湯田が2点適時二塁打。8回には集中打で一挙5点を奪い、大量リードに守られたエースの宮崎耕大(3年)が完投した。3年連続の決勝だが、昨年まで2年続けて敗れ去っていた。3度目の正直で雪辱を果たした県内有数の進学校が、甲子園でも大暴れする。

 先輩たちの悔しさを知っているから、喜びは格別だった。最後の打者を遊ゴロに打ち取ると、丸亀の選手たちは全速力でマウンドに駆け寄った。人さし指を空に突き上げるポーズで、雄たけびをあげる。やった、甲子園だ!

 ぎっしり埋まった三塁側スタンドも揺れた。「選手は本当に落ち着いていた。自分たちでやっている感じで、見ていて楽しかった」。山本雄一郎監督(35)は頼もしくなった選手をほめたたえた。

 終始、危なげない試合運びだった。リズムに乗れない尽誠学園の先発土肥を、初回から攻め立てた。2死満塁から湯田が押し出し死球で先制。その湯田が3回には「力を抜くことだけ考えて打った」という2点二塁打で突き放し、主導権を握った。8回には満塁の走者を一掃する車谷康太主将(3年)の三塁打などで一気に5点。リードをもらったエースの宮崎が1失点で完投した。

 「思い切ってやってこい!」「頼んだぞ!」。この日朝から、監督、選手の電話やメールには、次々とOBたちの激励が届いた。00年夏から遠ざかっている甲子園。そこにあと1勝まで迫りながら、一昨年は英明、昨年は香川西に敗れた。三度目の正直-。思いは1つだった。「僕たちが覆してやろうと思っていた。常に攻めの気持ちを忘れずにプレーした」。雪辱を果たし、車谷主将は胸を張った。

 県内有数の進学校だ。三塁側スタンドには、全生徒の約65%に当たる550人がバス12台で駆けつけたが、ほとんどが夏期講習を受けてからの応援だった。昨年度は国公立大に192人が合格。今年の野球部にも国立大志望が多く、参考書持参になりそうだ。甲子園では90年の8強が最高だが、この日2安打の次田篤史(3年)は「まず校歌を歌うこと。1戦必勝でいきます」と初戦突破を誓った。文武両道を地で行く県立の雄は、甲子園でも躍進を狙っている。【北村泰彦】

 ◆丸亀

 1893年(明26)創立の県立校。生徒数は836人(女子446人)。野球部は97年に創部され、部員数36人。甲子園出場は春1度、夏は4度目。主なOGはフリーアナウンサーの中野美奈子。所在地は香川県丸亀市六番丁1。平尾敏彦校長。◆Vへの足跡◆2回戦9-0石田3回戦6-3大手前高松準々決勝5-2高松商準決勝11-0高松北決勝8-1尽誠学園