<全国高校野球選手権:延岡学園2-0花巻東>◇21日◇準決勝

 大会本部が花巻東(岩手)に対し、異例の確認を行っていたことが21日、分かった。19日の準々決勝・鳴門(徳島)戦で相手投手に計41球を投げさせた千葉翔太外野手(3年)の打法を巡り、試合後に佐々木洋監督(38)と流石裕之部長(31)に高校野球特別規則「17・バントの定義」を知っているかと確認。両者とも「知りません」と答えたため、大会本部が、意識的に“カット打法”を続けた場合は審判員の判断でバントとみなされ、スリーバント失敗で三振となる場合もあると説明した。

 千葉は初戦(2回戦)の彦根東(滋賀)戦の3回もファウルを7球打って相手投手に13球を投げさせ、四球を選んだ。ただ大会本部は「2、3回戦では問題となる事例はなかった」と判断。また準々決勝では、サイン盗みと取られかねない行為があったと球審から注意を受けた。その事象と「バントの定義」を周知したことは「無関係」とした。

 千葉はこの日、1球もファウルを打たず4打席凡退。試合後「やってきたことを貫けなかった。ファウルで粘って出塁することが自分の役割でした。今までで一番悔しい試合でした」と号泣。取材後は体調不良で、救護室に運ばれた。チームに貢献しようと身につけた技術を否定され、千葉のショックは大きかった。