<高校野球南北海道大会:札幌日大5-0とわの森三愛>◇1日◇札幌地区Dブロック2回戦◇札幌円山

 主砲の1発で3年連続の南北海道大会へ弾みをつけた。札幌日大がとわの森三愛を下し、快勝発進した。主将で4番の松田進吾中堅手(3年)が2点リードの6回、バックスクリーン右の芝生席に飛び込むソロ本塁打でダメ押しの3点目。高校通算24本目、公式戦4本目のアーチでチームに勢いを与えた。

 札幌日大の頼れる4番が攻撃陣を引っ張った。6回2死で巡ってきた松田の第3打席。カウント3-2からの6球目、「待っていた」という内角低めの直球を右足を大きく上げる1本足打法でとらえた。打球はバックスクリーン右の芝生席で弾んだ。公式戦4本目の本塁打は勝利をたぐり寄せるダメ押しの3点目。「いつもよりしっかり捉えられた」と冷静に分析した。

 身長187センチの恵まれた体格を生かした長打力が最大の持ち味だ。公式戦こそ少ないが、高校通算本塁打は24本を数える。札幌円山のバックネット裏には2球団のスカウトが陣取り、チェックした。日本ハム白井スカウトは「直球に対する強い振りができる。良い選手になると思う」と評価した。

 強打者としての片りんを中学時代に発揮していた。函館オーシャンの球場内にある本塁打記録には松田の名前が刻まれている。11年8月13日、183号。札幌澄川中3年時に打ったものだ。プロや大学生、高校生が並ぶ中、唯一の中学生だ。ただ本人には本塁打に恐怖心もある。本塁打のイメージが残り、調子を崩すからだ。だから普段から常に左方向へ打つように心がけている。ホームランボールは母百里さんや後輩に渡し、手元には残さない。

 12年の南北海道大会準優勝時のメンバー。1年生ながらベンチ入りし涙をのんだ。あと1勝で逃した聖地への挑戦も最後になる。「チームが勝つことが大事。自分が何とかする立場」と闘志を燃やす。主将で4番が自らのバットでチームを甲子園に導く。【保坂果那】