<高校野球大阪大会:大阪教育センター付14-0清水谷>◇12日◇1回戦◇京セラドーム大阪

 大阪府教育センター付が、念願の夏初勝利をつかんだ。前身の大和川時代から数えて10度目の出場での初勝利。原動力は先発の稲井雄哉(3年)。清水谷を5安打に封じて初完封。打線も15安打14得点で初の6回コールド勝ち。西口直樹監督(28)も「出来すぎです」と笑顔いっぱいだ。

 高校から投手を始めた稲井は、180センチの長身ながら「人と違うことをやろう」とサイドスローを選択。プロ選手の動画を見て研究し、独学で習得した。決め球はスローボール。登板機会をもらえない時期が続いても「いつかこの遅いボールで、今日みたいな完璧な試合をしたいと思っていた」。奪った三振は1つだけだが、相手がタイミングを取れないこともしばしば。「バッターが笑ったり、『遅いな』という声が快感」と反応を楽しんだ。次の相手はPL学園。「どれだけ遅い球が通用するかすごくやりたい。めっちゃ楽しみ」。怖さなどない。