<高校野球兵庫大会:飾磨5-2猪名川>◇12日◇1回戦◇神戸第2

 プロ注目右腕、飾磨(しかま)の都藤(つどう)亮佑投手(3年)が復活を遂げた。8回からマウンドへ。2番手で1回2/3を投げ、初戦勝利に貢献。「勝てて本当に良かった。ストライクが入ってホッとした」。この日浮かべた笑顔の裏には、投げられなかった苦難があった。

 昨秋、右肘に痛みを感じた。11月に遊離軟骨除去手術を受けた。3時間に渡る手術で取り除いた「関節ねずみ」は6個。本格的に投げることができるようになったのは今年2月。夏の甲子園だけでなく、野球をあきらめかけようとしたとき、学校の友人にハッパを掛けられ、6月から猛チャージ。練習後に一番早く帰宅していたが、連日ティー打撃を300球こなし、朝も投球練習と一変した。

 この日はDeNAなど2球団が視察。DeNAの小林晋哉スカウトは「力もあるし、体つきもいい。馬力もあるから将来が楽しみ」と期待。都藤も「大学へ進学して、運が良ければプロにいきたい」。夢の舞台へ、まずはこの夏の成長に懸ける。【辻敦子】

 ◆都藤亮佑(つどう・りょうすけ)1996年(平8)9月9日、兵庫・姫路市生まれ。姫路市立東小から「レッドスターズ」でソフトボールを始め、投手。東光中時代には「飾磨クラブ」に所属し外野手。飾磨では1年秋からベンチ入り。最速140キロ。変化球はカーブ、スライダー、フォーク。遠投110メートル。50メートル走は6秒2。好きな投手はヤンキース田中将大。181センチ、80キロ。右投げ右打ち。家族は両親と兄、弟。