<高校野球福岡大会:西日本短大付5-2福岡大大濠>◇14日◇4回戦◇久留米

 ドラフト候補右腕、西日本短大付・小野郁(ふみや・3年)が、マメにも負けず福岡大大濠に9回2失点完投勝ちし16強入りを決めた。

 小雨の中、小野は何度も右手の先を気にしていた。前回登板(12日・九州産戦)の途中に右手中指先にマメをつくっていた。「変化球が引っかからない部分があった。自分で考えて投球した」。変化球は指の内側、直球はマメのできていない指の最先端部分でスピンをかけた。

 3回、3安打を集中され2失点。今大会3試合、19イニング目での初失点に、マメが痛くてもギアを上げた。1点差に迫られなおも無死二、三塁。三振、遊飛、最後はこの日最速148キロで右飛と後続を断った。

 今大会は打順が4番ではなく9番で投球に専念。そのため、ボール1個分の出し入れや配球まで自分で考えるようになった。昨秋は制球が課題だった右腕が、甲子園に向け大きく成長している。