＜高校野球静岡大会：常葉学園菊川７－０横須賀＞◇２１日◇２回戦◇掛川球場

　連覇を目指す常葉学園菊川がコールド発進した。横須賀相手に８回コールド。リードオフマンの前川直哉を筆頭に、積極的なスイングで好投手の後藤黛を攻略した。プロ注目の桑原樹は無安打も、松永健吾（いずれも３年）が代打本塁打を放つなどチーム全体でバットが振れていた。

　常葉菊川が６球で先制した。前川がカウント１－０から右翼へ二塁打を放ち、暴投の間に三進し犠飛。意外にも前川は「積極的に振るか迷った」という。先頭打者、ましてや好投手相手となれば、凡退すれば勢いに乗り損ねる恐れがある。

　それでも振りに行った。「初球が変化球でボールだったので真っすぐを狙った」。読み通りに内角を振り抜き、右翼の動きを見るや二塁を陥れた。

　１巡目で後藤黛が本調子ではないことを察すると、カウントを取りにきたボールを狙い打ちした。３回の２打席目で適時打を放った菊池竣太朗（３年）は「どんどん行かないと、と思っていた。最後の夏なんで」と初球を右前へ運んだ。

　投手力に不安を残すため、前川が「１、２点では足りない。５点以上取らないと」と話すように、全員が思いきりバットを振った。

　締めくくりは松永だ。８回表の先頭で登場し初球をとらえた。直前に代打を告げられたという松永は「積極的に行こうと思った。アピールできました」と通算６本、代打では初の１発を振り返った。

　３回戦は春の地区予選で負けた浜松学院と対戦する。前川は「春は負けたので、今日みたいにできれば」とリベンジを誓った。【加納慎也】