<高校野球秋田大会:能代松陽6-5大曲工>◇21日◇準決勝◇こまちスタジアム

 能代松陽が延長10回サヨナラ勝ちで大曲工を下し、昨年の校名変更後初の決勝進出。

 能代松陽が、粘りと結束力で決勝切符をつかんだ。8回裏、2-4の2死二、三塁から7番村上久仁(3年)が左前へ同点の2点適時打を決めた。10回表に1点を奪われても「最後まであきらめず、全員が仲間を信じた」(村上)。その裏、1点を返しなお2死満塁から3番高田将太主将(3年)が四球を選び、サヨナラ勝ちした。

 「1つになる」ことを掲げてきた。大会前、工藤明監督(38)の勧めで、女子バスケット部やバレー部の県大会決勝の応援に行き「負けていられない」と心を奮い立たせた。プロバスケットbjリーグ秋田の試合も観戦し「点差が開いても粘り強く戦う姿勢」を学んだ。工藤監督は「野球だけではなく、いろいろなことを感じて、力にして欲しいと思った。今日の良い戦い方にもつながった」という。

 能代商時代に2度甲子園に出場しているが、校名変更後は初の決勝進出。相手は昨夏準優勝の角館だが、村上は「勝って『松陽』として甲子園に行く」と気合を入れた。【成田光季】