<高校野球京都大会:龍谷大平安10-0京都すばる>◇26日◇決勝◇わかさスタジアム京都

 センバツVの龍谷大平安が2年ぶり33度目の夏を決め、春夏連覇を狙う。

 重圧におしつぶされそうになりながら、夏の京都を制した。龍谷大平安ナインのほおが初めてゆるみ、原田英彦監督(54)がベンチで顔を伝う大粒の汗を拭った。「本当にしんどい大会でした」。決勝は12安打10得点で圧勝したが、道のりは険しかった。初戦となった2回戦は一時1点差まで詰め寄られた。3回戦も打線がかみ合わず。指揮官は「ちぐはぐだった。準備もできず、どうなるかと思った」と真剣な表情を見せた。

 今年の春に頂点に立ったことで招待試合が増えた。昨年の約2倍の練習試合。5、6月は毎週土日に計4試合をこなすハードな日程を強いられた。試合以外の練習はまともにできないまま夏を迎えた。決勝の前日、原田監督がミーティングを行った。「甲子園に向けて弾みになる決勝にしよう」。昨秋は投手力が足らず打撃のチーム。今春は投打がかみ合って日本一になったが、この夏は序盤に苦戦した。そんな流れを1つ1つ振り返ることで頭も気持ちにも整理がついた。

 頂点を経験したからこそ味わう難しさを乗り越えた自信を生かす。「春夏連覇へやっと挑戦することができます」。原田監督が初めて「春夏連覇」という言葉を口にした。2年ぶりの夏甲子園は、現チームでは石川拓弥内野手(3年)だけしか経験はなく、新たなステージへは一からのスタートとなる。この日、3度宙に舞った原田監督は「甲子園での胴上げがやはり一番でしたね」。歓喜に沸く瞬間をもう1度つかみにいく。【辻敦子】

 ◆龍谷大平安

 1876年(明9)に「金亀教校」として創立された私立校。08年から現校名。生徒数1414人(女子542人)。野球部は1908年(明41)創部。甲子園は夏は33度目、春は38度出場。夏は3度、春は今年初優勝。部員数は105人。主なOBは衣笠祥雄(元広島)桧山進次郎(元阪神)など。所在地は京都市下京区大宮通七条上ル御器屋町30。燧土(すいど)勝徳校長。◆Vへの足跡◆2回戦6-2嵯峨野3回戦3-0西京4回戦12-2京都国際準々決勝7-0綾部準決勝9-2東山決勝10-0京都すばる