<高校野球静岡大会:静岡3-0掛川東>◇27日◇準々決勝◇草薙球場

 ルーキー投手が静岡に3年ぶりの4強入りをもたらした。公式戦初先発の村木文哉(1年)が8回無失点と好投、3-0で掛川東を下す原動力となった。最速138キロの直球とカーブを低めに集め、8回まで無四球、無失点に抑えた。村木は「ストライクゾーンで勝負しろ、と言われていた。丁寧に投げられた」と喜びを素直に表現した。

 入部から4カ月目。都田中では軟式野球で全国出場も経験するものの、4月から球の違いや、7回から9回に増えたイニング数増加に戸惑いがあった。そのため下半身強化に専念し、定期的に10キロ走に取り組み、自主練習でも約100段ほどある階段ダッシュを10~20本消化。今春から投手陣を指導する元南海の大久保学コーチ(49)の助言も聞き入れ「プロを経験した人に教わるのは初めて。参考になることばかり」と貪欲だ。栗林俊輔監督(41)も「(村木は)探求心があり粘り強い」と評価した。

 村木の好投で、エース辻本宙夢(3年)は9回のみの登板で済み、体力を温存できた。優勝まであと2勝。明日29日の準決勝は常葉学園橘と激突する。岸山智大主将(3年)は「次の1戦も、いつも通りの野球で臨みたい」と気合を入れ直した。【藤中栄二】

 ◆村木文哉(むらき・ふみや)1998年(平10)7月19日、浜松市生まれ。都田南小1年から都田リバースで本格的に野球を始める。都田中に進学し、昨年3月には全日本少年軟式春季大会で全国を経験。家族は両親と兄。182センチ、66キロ。