<全国高校野球選手権:星稜4-1鹿屋中央>◇18日◇2回戦

 星稜(石川)は16年ぶりの3回戦進出で、北信越勢9連勝を飾った。

 「歴史を変えてくれ」。星稜ナインは林和成監督(39)の言葉を胸に秘めていた。98年以来16年ぶり夏2勝。林監督は「ここまでできると思っていなかった。選手たちに感謝」と目を細めた。

 「逆転」ではなく先行逃げ切りで決めた。1回、5番に上がった佐竹がカーブを左前に先制適時打。同点の3回は失策などで勝ち越した後の1死一、二塁で、今大会初の先発7番に抜てきされた今村がスライダーを左前に運んで3点目を挙げた。「監督さんの期待に応えられた」と喜んだ今村と「クリーンアップの仕事ができたかな」と笑う佐竹の2安打1打点を筆頭に、チーム11安打のうち右打者が8安打と貢献した。

 積雪地域のハンディを乗り越えた。雪が積もりだした頃にウエートや筋トレ。年明けには素振り。1、2月には技術を磨く。打撃には力が入り、午前8時から午後3時まで1日2000スイング。先制打の佐竹は「スイングの力が上がった」と振り返る。

 北信越勢の連勝を刺激にし、力に変えた。エース岩下は「富山商・森田とは開会式の時に『一番上で当たろう』と話した。全国制覇が目標」と意気込んだ。99年前のこの日、第1回大会が開会。記念すべき1日に新たな歴史へ踏み出す1勝をつかんだ。【辻敦子】