夏の甲子園を目指す南北北海道大会(南は13日から札幌円山、北は17日から旭川スタルヒン)の組み合わせ抽選会が4日行われた。南5連覇中の駒大苫小牧は大会3日目第1試合で江別と対戦。春季全道大会で5回コールド負けを喫するなど「絶対」の存在ではなくなったが、逆境になるほど力を発揮する伝統を代々引き継いでいる。今回も伝統の力で6年連続の甲子園を目指す。

 あえぐ王者が、6年連続甲子園出場で名誉ばん回を目指す。ともに順当に勝ち上がれば、駒大苫小牧は2回戦で北海と対戦するクジを引き当てた。春季全道の準々決勝、0-11の5回コールドで敗れた相手。「北海にリベンジ」は、甲子園への避けて通れない一里塚だ。だが真田大輔副主将(3年)はその気持ちを抑え、あえて「まずは初戦」と強調した。

 04~06年と3年連続甲子園の決勝を沸かせた王者。だが今年は決して本命と呼ばれていない。春季大会の予選~全道で見せた守乱や走塁ミスで駒大苫小牧という“ブランド”はほころびを見せた。決定的だったのが創部当初にすら経験していない5回コールド負け。雲の上の存在ではなくなった。

 だが、ナインに打ちのめされた敗者のダメージはない。北川拓郎主将(3年)は「春の負けはいい負け。夏にかけるということでチームの気持ちが1つになった」と話す。めげることなく大きな声を出し、ほころびが出た守備、そして今年の特徴である打撃の練習に打ち込んできた。

 茂木雄介監督(27)も開き直る強さを見せた。「春に負けたことで、もう王者でも何でもない。失うものは何もない」と、ゼロからの再出発を宣言した。過去にもマイナスを次回にはプラスに変えてきたチーム。今年3月で学校を去った香田誉士史前監督(37)に「いい報告ができるように頑張る」と指揮官。身上の打たれ強さを見せるのは今だ。【本郷昌幸】