<高校野球福岡大会:小倉14-4八幡中央>◇12日◇3回戦

 今年で創立100周年を迎えた古豪・小倉の猛打が爆発。14安打で14点を奪い、3試合連続コールド勝ちでベスト19で争う県大会に進出した。

 最後に決めたのは3番井生広大(3年)だ。6回裏、無死満塁から中前に2点適時打。コールド勝ちを決定づける一打を含め、この日は4打数3安打5打点と打線をけん引した。昨年も6番二塁で夏を経験したが「背が2センチ伸びて、体重も増えパワーアップしました」と胸を張った。土田秀夫監督(47)も「うちは打撃のチームだけど、夏前からよく振れますね」と3試合で38点をたたき出した、自慢の打線をたたえた。

 1908年に創立された学校は今年で100年。6月、その記念の招待試合で佐賀北と対戦した。昨年の甲子園優勝校を破り「夏に向けてチームに勢いが出てきた」と5番を打つ木村匠(3年)。復活を願うOBも例年以上にグラウンドに訪れ、47年、48年に甲子園連覇を果たした時のエース福嶋一雄氏(77)も、毎回チームにひと言かけ、期待を寄せる。OBの言葉は「とても励みになります」と井生は話す。

 最後に夏の甲子園に出場したのは56年の38回大会。半世紀以上も夏の大舞台から遠ざかっている。「今年こそ甲子園に行きたい。県大会は格上のチームばかりだけど、思い切りプレーしたい」と井生。1世紀の歴史を力にして、小倉が頂点を目指す。【栗原広人】