<高校野球西兵庫大会:加古川北5-2洲本>◇24日◇決勝

 加古川北が春夏合わせて初の甲子園出場を果たした。マウンド付近で歓喜の輪の中心にいた大西光起主将(3年)の顔は、涙でくしゃくしゃだった。久保佑介捕手(3年)は、男子バレーの植田監督がみせた大の字に倒れ込むパフォーマンスで喜びを表現した。

 教え子たちの姿をベンチ前で見守った福村順一監督(36)も泣いた。何度もスタンドに向かってお辞儀を繰り返し「感無量です。OB、地域の方々にも支えてもらった。選手もあきらめずについてきてくれました」と振り返った。

 14安打5得点。鮮やかな逆転勝ちだった。1点ビハインドの4回裏。1死二塁から大西が左前同点打。2死一、二塁の場面で、岩崎誠司投手(2年)の左越え二塁打で勝ち越し、続く石口哲也三塁手(3年)の二塁への内野安打で突き放した。ナイター設備はなくホームセンターで投光機を購入、ティー打撃に生かしながら打力を磨いた成果が出た。