<全国高校野球選手権:横浜7-4広陵>◇12日◇2回戦

 昨年準Vの広陵(広島)が、2回戦で姿を消した。「去年悔しい思いをした先輩のために優勝したかった」と上本崇司内野手(3年)は悔やんだ。県大会5割6分5厘の勢いそのままに高知戦で4安打を放ち、この日も口火を切った。1回、横浜・土屋の2球目チェンジアップを振り抜き、大会史上13本目の先頭打者本塁打で先制した。同校OBの兄博紀(早大4年)も03年夏の東海大甲府戦(1回戦)で放っており、史上初の“兄弟先頭打者弾”で勢いをつけたはずだった。

 軟式の松永ヤンキースで活躍しながら、中学ではサッカー部に所属。高いディフェンス能力を評価され複数の有力校から誘いもあった。それでも1年夏から4季連続で出場した兄との比較を承知で広陵を選んだ。「チームのために打ちたかった。最高の思い出?

 広陵に入れたこと」と胸を張った。歴史に名前を刻んだが、悲願の夏優勝はかなわなかった。【佐藤貴洋】