<高校野球岩手大会>◇18日◇2回戦

 県内一の進学校、盛岡一に医師を目指す「完全男」が現れた !

 宮古北に14-0(5回コールド)で快勝。右腕・及川亮(3年)が参考記録ながら完全試合を達成した。しかも昨年春の地区大会、盛岡南戦(7-0、7回コールド)に続く2度目の快挙だった。

 前日、チームメートや両親に言った。

 「明日、完全試合すっから」。

 初戦で苦しむ強豪私立が多い中、公立の名門・盛岡一が一気に勢いづくには普通の勝利ではいけない-。及川はビッグマウスで自分にプレッシャーをかけた。

 直球とスライダーだけを投じ三振7、内野ゴロ7、内野フライ1で15個のアウトを取った。5回のマウンドに上がる前、エース小野寺健太(2年)がブルペンに入った。「おまえ、投げるのか」と聞くと「キャッチボールするだけです」。一安心し、確実に3つのアウトを取る。自身2度目の完全試合を達成し、大きくガッツポーズした。

 東大に毎年10人前後が合格するという名門中の名門。夏の甲子園出場も県2位の9度(1位は福岡で10度)を誇る。及川の夢は医師で、医学部を受験する予定。小5時に東京から盛岡に移住し、新聞やテレビ報道で地方の医師不足を知った。「力になりたい」と、自分の道を決めた。現在も「医療現場の現状」がテーマの本を読む。「絶対甲子園に出て、医師になる」と決意は固い。

 完全試合2回、2日に1度のウエートトレで鍛えた厚い胸板、さわやかな笑顔。さらに甲子園出場、医学部合格と続けば、文字通り「完全男」だ。高2の学年末考査では世界史Aで100点満点を取るなど、テストでも“完全試合”を成し遂げた。だが現在は練習が忙しく、帰宅は午後10時ころ。「勉強をやる暇はないですね」と笑う。

 ライバルの活躍にも刺激を受けた。同じ岩手大付中出身の盛岡大付の右腕・白石猛紘が初戦で完封勝利し「タケの勝利は刺激になった」。春季県大会準々決勝で敗れた久慈の左腕エース菊地和大(ともに3年)も完封発進し「あいつとは準決勝でやろうな、と話している」という。自身は完全試合で2人の上を行った。今度は32年ぶり10度目の甲子園出場を有言実行する。【三須一紀】