<全国高校野球選手権:組み合わせ抽選会>◇4日◇兵庫県立芸術文化センター

 第92回全国高校野球選手権大会(7日開幕、甲子園)の組み合わせ抽選会が4日、兵庫・西宮市内で行われ、史上7度目の夏連覇を目指す中京大中京(愛知)は、昨年と同じ3日目(第1試合)に南陽工(山口)と対戦することになった。

 初戦が3日目第1試合に決まると、会場中央に陣取る中京大中京ナインからは「おおっ!」という歓声が思わずあがった。

 Vの“吉兆”だ。大会3日目の初陣は、全国制覇した昨年夏と同じ。大藤敏行監督(48)は「同じですね。去年は第2試合だったけど」と思わず笑みがもれた。主将の磯村嘉孝捕手(3年)も予備抽選後に「2日目か3日目を引きたいです。強いところとやりたい」と話していたが、その通りの結果に満足顔だった。

 大藤監督は南陽工のエース岩本輝投手(3年)のことをはっきりと記憶していた。昨年の選抜で中京大中京とともに南陽工はベスト8に勝ち残った。直接対決はしていないものの「あの時の好投手ですか。かなり成長してるんでしょうね。手ごわいですね」と警戒した。

 この日、選手たちは抽選を前に甲子園練習で汗を流した。センバツ以来の聖地にエース森本隼平投手(3年)もマウンドをチェックし「愛知大会の疲れもなく、体調もいいです」と胸を躍らせた。4季連続で甲子園の舞台を踏むエースは、南陽工との試合で通算13試合目。「どんな状況になっても大丈夫」と、大舞台での経験値を自信に最後の夏に挑む。

 大藤監督にとっては、史上7度目となる夏連覇へのチャレンジととともに、今大会限り「勇退」の“ラスト・サマー”だ。「先生と1分でも1秒でも長く一緒に野球をやりたい」(磯村主将)とナインの気持ちは1つにまとまっている。中京大中京の聖地での戦いがいよいよ始まる。【坂祐三】