オリックス清原和博内野手(41)が9月30日、1日のソフトバンク戦(京セラドーム大阪)ラストゲーム前に胸中を明かした。チームはクライマックスシリーズ(CS)出場を決めたが、清原はCSには出場しない意向。最後の4番指名打者で出場する。「ひざが壊れてもいいぐらいのフルスイングをする」と“花道”のひと振りにかける。スタンドには阪神金本、マリナーズ・イチローも急きょ帰国し、姿を見せる可能性がある。数々の名勝負と伝説を築いた23年間の現役生活に別れを告げる。

 ついに、けじめをつける時がやってきた。清原はこの日、現役に生活に終止符を打つ胸中を明かした。チームがクライマックスシリーズ進出を決め、日本シリーズ、アジアシリーズと野球を続けられるチャンスが広がった。だが清原は1日の試合でバットを置く。

 清原

 戦力として見られていない以上、ここが引き際だと思いました。この状態でCSに行っても監督は采配を迷うでしょうから…。

 左ひざの軟骨移植手術を乗り越え、8月3日に1軍復帰したが、21試合すべて代打出場。快進撃の陰で勝利に貢献できないもどかしさに苦悩した。やれる自信はあっても、首脳陣の評価は代打要員。一流選手だれもがやめる際に感じる寂しさを感じていた。

 清原

 こんな花道をつくってくれた。それだけでも感謝でいっぱいです。

 ローズ、北川らチームメートからは「最後までキヨさんと戦いたい」と何度も引き留められた。巨人時代から苦楽をともにするローズからは「ベンチに座ってるだけでいいから一緒に出てください」と涙まじりに訴えられた。だが清原は引退を決意した時点で本拠地最終戦を引き際と決めていた。「グラウンドに立って勝負するために、手術を受けたんだから」。もうベンチで若手を鼓舞したりする役目は終わった。

 清原

 タフィー(ローズ)とかの気持ちは、心からうれしかったよ。でもオレが出ないことで1つ席(選手枠)が空く。まだ発展途上のチームだし、若い選手に経験を積んでもらえたらそれでいい。グラウンドに立たないけど日本一になれることを祈ってるよ。

 1日のソフトバンク戦が、正真正銘の現役ラスト。歌手の長渕剛が「とんぼ」を熱唱。また阪神金本も来場する予定だ。清原は左ひざに大けがを負った06年9月8日の日本ハム戦(スカイマーク)以来となる通算1465試合目の「4番指名打者」で先発出場する。西武のルーキー時代に4番に座って、4番で終わる。

 清原

 生まれ育った大阪で終われるのは幸せや。最後はひざが壊れてもいいぐらいのフルスイングで、ホームランを狙うよ。清原和博の最後の姿を心に焼きつけてください。

 最後の最後まで清原らしく-。3万超の満員札止めのファンへ恩返しのスイングを届ける。【松井清員】