新たに導入が決まったルールが、来季の選手の成績や今オフの戦力補強にも影響を及ぼすだろうといわれている。11月上旬に行われたGM会議でも、球団の編成トップらの間で、その話題が持ち切りだったという。

MLBは来季から守備シフト制限、投球時間制限の「ピッチタイマー」の導入、けん制の制限、ベースの大型化を導入する。例えばシフト制限は、投手が投球モーションに入るためにプレートに足を乗せてから、内野手4人は内外野の境界線の内側に立つこと、二塁ベースを境に左右2人ずつポジションを取ること、守備能力の高い選手を最も打球が飛びそうな位置に変えるなどの場所のスイッチは禁止となる。これら新ルールが選手のプレーやパフォーマンスにどれほどの影響が出るか、各球団のフロントは現在、急ピッチでデータを収集し分析、調査をしている最中だという。

アストロズのジェームズ・クリック前GMは、退任が発表される前にGM会議の場でこう話していた。

「多くのチームはルールの範囲内でできる限りのシフトを敷くのではないだろうか。遊撃手か二塁手がぎりぎり二塁ベースの後ろに立つことはある。ただ内野手はこれまでよりも打球から離れたポジションにいるだろうから、身体能力の高い選手が好まれる」。

特に内野手に関しては、シフトによって守備指標の数字が向上していたという場合もあり、選手獲得には守備のデータを詳細に見なければ当てが外れるというケースも出てくる。不透明な部分が多ければその分、選手獲得には慎重になる。レイズのピーター・ベンディックスGMも「マイナーではすでに実験し結果が出ているが、それがメジャーに当てはまるかは分からない。メジャーはまた別だ。実際に導入してみないとどうなるか、私も素人レベルの予想しかできない」と話していた。米スポーツメディア「ジ・アスレチック」は「左打ち打者がシフトに阻まれるケースが多かったため、シフト制限によって左打者の株が上がる可能性があり、俊足の選手が攻撃でより貴重な存在になる」と指摘していた。

打者に関しては、打席の85%以上でシフトを敷かれた選手は今季約45人おり、エンゼルス大谷翔平投手(28)もその1人で、シフトが88・3%と高い比率で敷かれていた。このためデータ上では来季は打者としての成績が向上することが期待できる。オリックスからポスティングシステムでメジャー移籍を目指す吉田正尚外野手(29)や、ブルージェイズのマイナー契約からFAとなった筒香嘉智外野手(31)も、契約交渉では左打ちがプラスになるかもしれない。【水次祥子】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「水次祥子のMLBなう」)