ダルビッシュのドジャース移籍が電撃的に決まり、ド軍史上8人目の日本人選手となりました。過去にも、「野茂&石井」「斎藤&黒田」など、複数の日本人選手が在籍した時期はありました。ただ、今回は「ダルビッシュ&マエケン」の新コンビが誕生したうえに、ド軍が地区首位を快走していることもあり、これまで以上に報道陣が詰め掛けています。

 そんな騒がしい状況は、しばしば選手や関係者に迷惑がられるものですが、デーブ・ロバーツ監督はにこやかな表情で見守っています。というのも、米国人の父と日本人の母を持ち、沖縄で生まれた同監督にとって、日本は「もうひとつの祖国」。幼い頃から母栄子さんお手製のカレーライスやおにぎりが好物で、今でも時折食べたくなることかあるそうです。そんな背景もあり、日本の文化や習慣に興味を持ち、理解を示してくれています。

 もっとも、物心の付いた頃には米国サンディエゴに移ったことで、日本語はほとんど理解できません。栄子さんは「私がもっと教えていればよかったんだけど…」と後悔していましたが、米国育ちですから、それも仕方ありません。ただ、ほんの少しは覚えているようで、同監督がこのほど知っている日本語を明かしてくれました。

 「元気ですか?」。

 「どういたしまして」。

 「ありがとうございます」。

 このほか、「小さい頃、よくママに言われたのが、“バカたれ”」。昨年、前田が入団した際に菓子折をもらったことで、「おみやげ」も上手に使いこなしています。

 もともとド軍には日本人スタッフが他球団よりも数多く、今回、ダルビッシュが移籍したことで、さらに増えることになりました。

 「シーズンが終わる頃には、小学生レベルの日本語はパスするよ」。

 ダルビッシュの英語力に感心する一方で、ロバーツ監督自身も日本語の習得に積極的な(?)姿勢を見せています。

【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「メジャー徒然日記」)