エンゼルス田沢純一が、笑わせてくれました。4日のレンジャーズ戦で救援し、1回1安打無失点と好投。ベンチへ戻ると、出迎えた大谷とハイタッチを交わしました。その際の感想が、シャレっ気たっぷりでした。

「まあ、日本人で最初に多分関わったと思うんで、良かったかなと思います」。

エンゼルスで初登板となった2日のアストロズ戦は、大谷が先発したため、ベンチへ戻った際は不在でした。つまり、この日が「初」のハイタッチ。大谷にとって田沢がメジャーで初めての日本人チームメートでもあり、「最初に関わった」選手となったわけです。

そう言われてみると、2009年に米国へ渡って以来、田沢は常に日本人選手と関わってきました。レッドソックスでは、松坂大輔、岡島秀樹、斎藤隆、上原浩治、マーリンズではイチローと一緒にプレーしました。もちろん、彼らとは何度もハイタッチを交わしてきました。

ところが、今季はイチローが移籍したため、マーリンズでは唯一の日本人となりました。戦力外通告を受けて移籍したタイガースでも1人だけ。エンゼルスでメジャーに昇格したことで、田沢にとっても久しぶりの日本人とのハイタッチとなったわけです。

渡米後10年目は激動のシーズンとなりましたが、田沢の勤勉さは変わっていません。全体練習の有無にかかわらず、試合前は必ずグラウンドに出てルーティンのメニューをこなします。今季は、不本意な投球が続いたこともあり、黙々とフォームの微調整を続けています。

「引き続き、いろいろなアドバイスをもらって、少しでもいい状態で、成績というよりも自分のフォームでしっかり投げられたらと思います」。

通常、ロースターが拡大する9月は、主に若手の有望株が昇格するのですが、32歳のベテラン田沢に声がかかったのも、来季の戦力として見極めようとする球団側の意向があるからなのです。

「練習と試合では変わったりするので、そういったところも少しでも練習と一致できるように準備したいと思います」。

今オフはFA(フリーエージェント)となるだけに、最後の1カ月は大事な期間となります。大谷とのハイタッチがより多く見られれば、田沢にとって来季への手応えも大きくなるはずです。