今季メジャーリーグ開幕時点で日本人選手は14人が名を連ね、そのうち投打二刀流の大谷翔平投手(ドジャース)を含めて5人がバッターです。特に、メジャー1年目を迎えたホワイトソックス村上宗隆一塁手、ブルージェイズ岡本和真三塁手に大いに注目したいと思います。
なぜか。1995年に日本人大リーガーの先駆者としてドジャース野茂英雄投手がデビュー。それから6年後の2001年に初の日本人野手として、マリナーズ・イチロー外野手が誕生しました。04年には初の日本人内野手として、メッツに松井稼頭央遊撃手が入団。当時の日本人野手は、二遊間を守るミドルインフィールダーと外野手が中心でした。
そんな中、05年ドジャースが中村紀洋三塁手を獲得したものの通用せず。07年デビルレイズ(現レイズ)に岩村明憲三塁手が入団し、日本人初の正三塁手としてプレーしましたが、翌年から二塁にコンバート。日本人野手にとって長打力が求められる一、三塁は鬼門のポジションだからです。
しかし、そこに風穴をあけ、新たな歴史を作ったのも大谷でした。18年エンゼルスに入団した投打二刀流の大谷は、投げない時に指名打者(DH)として出場。それまでメジャーでは日本人選手特有のスピードや守備力が高く評価され、パワー、打力だけでは通用しないという常識を覆しました。
それによって、メジャーはイチローに象徴される巧打者だけでなく、大谷のような日本のパワーヒッターにも目を向けるようになりました。その結果、昨年は大谷はじめカブス鈴木誠也外野手、レッドソックス吉田正尚外野手と、日本人打者が全員DHという、思ってもみなかった時代がやって来ました。
今年は、強打のポジションとされる一、三塁への挑戦の始まりです。前述のように、かつてドジャースで中村が一、三塁を守るも、ほとんど出場機会なしに終わりました。20~22年にレイズ、パイレーツなどで筒香嘉智外野手(DeNA)が一、三塁に挑戦も、長くは続かず、シーズン途中で退団を余儀なくされました。
ちなみに、アジアでは日本よりも韓国球界にパワーヒッターが多く、02~05年カブスなどに在籍し、05年アジア人として初めてオールスター前日の本塁打競争に出場した崔希渉一塁手、16年マリナーズの李大浩一塁手(元オリックス、ソフトバンク)、16~23年までレイズなどで活躍した崔志萬一塁手と3人いました。
それに対し、今年はメジャーに日本人一塁手と三塁手が同時に誕生しました。日本プロ野球史上最年少の3冠王に輝いた村上は、デビュー戦でいきなり第1号ホームラン。巨人の4番打者を務めた岡本は、初安打に加えて9回2死からヒットでサヨナラの生還と、上々のデビューを飾りました。
メジャー史上初の日本人野手誕生から四半世紀。フィリーズの看板打者ブライス・ハーパー、ブルージェイズの主砲ウラジーミル・ゲレロら、球界を代表するスラッガーたちがひしめく強打のポジションで、はたして村上、岡本がどんな活躍を見せるか大いに楽しみです。【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)




