MLBでは現在両リーグで激しい地区シリーズが展開されているが、その一方で今シーズン初の有観客試合となるナ・リーグ優勝決定シリーズとワールドシリーズのチケット争奪戦も始まっている。現地6日にMLBとレンジャーズの公式サイトで販売が開始されたのだが、わずか90分で売り切れとなったのだ。

コロナ禍にあって両シリーズは異例ずくめの開催となる予定だ。まず両シリーズともテキサス州アーリントンにあるレンジャーズの本拠地グローブライフ・フィールドのみでの開催となる。バブルと呼ばれる新型コロナウイルス感染防止のための隔離措置のためで、中立地での開催自体が異例だ。ワールドシリーズが1つのスタジアムで開催されるのは1944年以来である。

グローブライフ・フィールドは今年完成したばかりだが、開幕から無観客開催だったため、初めて観客を入れて開催するのがリーグ優勝決定シリーズとなる。収容人数に関してはもちろん制限が加えられた。本来4万300人を収容できるが、今回各試合スタンドに1万550人、スイートボックスに950人、計1万1500人となっている。

さらに今回様々な感染対策が盛り込まれた。まずチケットはポッドと呼ばれる4つ並んだ座席単位での販売となった。各ポッドは最低6フィート、約1.8メートルの間隔がとられている。また購入したファンがポッド内の座席を分解して再販売することは禁じられた。選手のいるフィールド、ダッグアウト、ブルペンから20フィート、約6メートル以内の座席は販売禁止となっている。

スタジアム内でも様々な対策が盛り込まれている。購入した座席で飲食する場合を除き全てのファンにマスクの着用が義務づけられる。飲食物の持ち込みは原則禁止で、1リットル未満のウオーターボトルのみ許可されている。スタジアム内で販売される食品は全て事前梱包される。駐車場は完全キャッシュレスとなる、といった具合である。

チケットが90分で売り切れになったことで現在争奪戦の主戦場はMLB公式サイトとMLB全チームが契約する公式チケット2次流通サイト、スタブハブに移っている。ワールドシリーズの場合、1枚75ドルからの価格設定だったが、現地7日夜時点で10月20日予定されている第1戦の最低取引価格は399ドルだ。最も高いのが第4戦の539ドル。第7戦は449ドルとなっている。

一方、リーグ優勝シリーズは第1戦が74ドル、第7戦が85ドルから、とこちらはまだお手頃だ。

異例ずくめの両シリーズをぜひ生で観戦したいという需要は、これからうなぎ上りになること必至である。