現地20日に開幕した2020年ワールドシリーズ。ドジャースとレイズが中立地、テキサス州アーリントンのグローブライフフィールドで熱戦を繰り広げている。新型コロナウイルスの流行で開幕が延期となり、7月に60試合に短縮したレギュラーシーズンを開始し、16チームに拡大したプレーオフを経て、よくここまでたどり着いたものだと思う。ただその一方で来シーズン以降がどうなるかはまだ見通せないのも事実だ。シリーズ開幕を前にドジャースの共同オーナー、トッド・べーリー氏も同様の懸念を公言している。

べーリー氏は同日出席した会議のパネルディスカッションで「2021年は対策に費やすことになり、2022年に再び普通の感覚を取り戻すことを期待しています」と述べ、野球産業が少なくとも2022年までは平常に戻らないだろうことを示唆した。

さらにドジャースは指導を受けるのを待つだけでなく、公衆衛生関係者と積極的に連携し、地域社会の対応をリードするための手助けをする方法を検討しているともしている。

その上で「来る3月に向けて、適切な検査プロトコルは何か、どうやってファンをスタジアムに呼び戻すのか、どうやって規模の大きい検査ができるのか、など多くのことがらについて検討を始めています。ワクチンがあったとしても、人々を安全に座席に戻すためのテストプロトコルをどのように実施できるのか? 我々は今、これがリスクとして存在していると認識しており、それにどう対処するかを考えなければなりません。うまくいけば、迅速で安価なテストは、私たちが持っている多くのツールの1つになるでしょうし、私たちはそれがより速く、発展することに期待しています」と現在抱えている課題について語っている。

ただカリフォルニア州のギャビン・ニューサム州知事は現地20日に、感染状況が改善されれば州に本拠を置くプロスポーツチームは段階的に収容人数の20パーセント、25パーセントの観客を入れて試合を開催できるようになると語ったものの、現在はその段階に至っていない。

こうした状況にべーリー氏は入場料収入や商品の売り上げの減少など、収益が短期的には減ったものの長期的にはチームの価値は下がらないだろうとしたものの、「あらゆる意味で来年ノーマルな状態に戻ると期待していない。2022年までにノーマルに戻ると期待したい」と弱気な発言を重ねることになったようだ。ワールドシリーズの先には依然として不安が広がっている。