MLBは動画配信サービスYoutubeとの配信契約を更新し、ライブストリーミングする試合数を21に拡大したと発表した。Youtubeとの提携によるライブストリーミングは2019年に13試合行われ、パンデミックの影響で短縮された昨シーズンは4試合で実施された。今シーズンは21週間にわたり、週1試合実施されるとしている。

各試合はスマートフォンやインターネット対応テレビなどYoutubeが見られる端末なら誰でも視聴できるものと有料サービスYoutubeTVの契約者専用チャンネルでのみ配信されるものに分かれるという。4月7日のレッドソックス対レイズ戦が最初で、22日にエンゼルス対アストロズ戦、28日のツインズ対インディアンズ戦での実施が決まっており、以降は後日発表になるということだ。

配信が実施される試合では、スポーツを専門とするユーチューバー40人以上がライブチャットに参加することも発表され、試合中に投票を行ったり、30分の試合前番組を配信する企画も打ち出された。

フェイスブックやツイッターといったSNSは短時間の動画に慣れた若者向けにライブ配信よりもハイライトなど短い動画の配信に力を入れる傾向があったが、Youtubeはあえてライブ配信を拡大させた形だ。この点について同社のティム・カッツ氏は「我々は、世界最大のスポーツハイライトのプラットフォームを持ち、世界で最も多くのエンゲージメントを獲得していますが、ライブはその次の要素です。MLBは、我々が収益化の観点から、また検索や発見の方法を考える上で必要となる機能をテストし、学び、構築する上で、我々にとって素晴らしいパートナーです」とコメントし、今後の展開に向けたテストであることを強調している。

さらにユーチューバーを起用することに関しては「これらのYouTubeクリエイターは、自分の視聴者を呼び込むこともできます。(ライブチャットは)純粋な視聴者だけでなく、YouTubeの視聴者を引き付ける上で非常に重要な要素の1つです。コンテンツに携わっている人は、そうでない人よりも長く視聴していることがわかりました。我々は人々をより長い時間接続し続けることができます」と説明した。

2019年のライブ配信では1試合あたり平均120万回の視聴があったということだ。SNSでのライブ配信がMLBの試合視聴手段としてさらに定着していくか注目していきたい。