現地23日、インディアンスは今シーズン終了後にチーム名を守護者を意味する「ガーディアンズ」に変更すると発表した。

チームは昨年12月、黒人差別撲滅を訴えるブラック・ライブズ・マター運動が盛んになる中、チーム名の「インディアンス」を変更すると発表していた。インディアンスは1915年から105年間現在の名称を使用してきたがポール・ドーラン・オーナーは「この名称はもはや我々の世界で受け入れられない」、「先住民はこれからも我々の歴史の一部だが、新しいチーム名で関係者とファンが一緒に前進する時だ」とコメントし、チームの新名称は「アメリカ先住民をテーマにした名前や意味合いのある名前にはしない」と語っていた。また2019年にチームのマスコットである「チーフワフー」のロゴの使用を取りやめてもいる。

変更は俳優トム・ハンクス氏がナレーションを担当したビデオによって発表された。その中でハンクス氏は「いつもクリーブランドがあった。それが我々の名前の一番いいところだ。そして今、この街でこのチームの次の時代を築くために、一つの家族、一つのコミュニティとして団結し、このゲームを最高のものにするものを見守り続ける時が来ました。一緒になって、参加したいと思うすべての人を歓迎するために」と語っている。

名称の変更についてネイティブ・アメリカン、アメリカ先住民初の内閣官房長官であるデブ・ハーランド内務大臣をはじめ、複数のネイティブ・アメリカンの活動家や政治家が歓迎を表明している。

ハーランド大臣は「スポーツチームにネイティブ・アメリカンのマスコットやイメージを使用するという長い慣習は、先住民のコミュニティに悪影響を与えてきました。これは歓迎すべきことであり、必要な変更です」とツイートした。

対してこの変更にかみついたのがドナルド・トランプ前大統領だ。トランプ氏は同日発表した声明で「1915年に名付けられて以来、歴史ある大切な野球フランチャイズであるクリーブランド・インディアンスがガーディアンズに名前を変えるなんて、誰も信じられないだろう? こんな不名誉なことはない」としている。さらにこの動きはアメリカ先住民に対して「無礼」だとし「このことに最も怒っているのは、わが国の多くのインディアンであることは保証する」と述べている。

一方で調査会社Zoomphはツイッターでの「クリーブランド・ガーディアンズ」に関する1万7494件の投稿を分析した結果、33%が感情的に肯定的な内容で、否定的なものは11%、56%が客観的か中立だったと発表している。

いかにもらしいトランプ氏はともかくとして、多くの人はこの変更を受け入れているようだ。