ヤンキース田中将大投手(26)が2球の失投に泣いた。中4日の先発で6回を3安打無四球に抑えたものの、ソロ本塁打2本で2失点。打線の援護がなく5敗目(8勝)を喫した。チームは16年ぶりの2戦連続の完封負け。地区首位を猛追するブ軍に3連敗し、1・5ゲーム差まで詰め寄られた。

 右の強打者への2つの失投が命取りになった。1回、ドナルドソンの外角を狙った直球がシュート回転して甘く入り、右中間に運ばれた。4回はバティスタの内角を突こうとしたツーシームがまたも真ん中へ。左翼2階席へ運ばれた白球を見届けると、田中は右手で太ももをたたき、悔しさをあらわにした。

 変化球中心の組み立ての中、被弾はいずれも速球系だった。相手はリーグトップの得点数と長打率を誇る強力打線。かわす投球だけでは抑えられない。「こっち(米国)では僕のような真っすぐは並」と自覚した上で、リスクも承知で攻め込む必要があった。

 16試合で18被弾。厳しい声も当然、耳に入る。田中は「(速球を)まったく投げるなっていうのも無理な話。(被本塁打の多さは)報道にもなっているし、自分自身もそれは意識する。なんかそういうスパイラルになっている部分がある」と胸の内をのぞかせた。

 6回80球で降板した田中は「まだいける気持ちはあった」と不完全燃焼のままベンチへ退いた。しかし、故障者リストから復帰後、初めて中4日での登板とあって、ジラルディ監督は「今後重要な存在になる選手だから」と、長い戦いを見据えて健康面に配慮した。

 直接対決で3連敗し、ブ軍に1・5ゲーム差に迫られた。先発として試合をつくった田中は「点を取られなければ負けないので、取られた僕の責任です」と、敗因を打線には向けなかった。次回登板は中5日で15日(日本時間16日)、今度は敵地トロントで同じ相手と対戦する見込み。どんな形でも勝利をもたらしたい。【佐藤直子通信員】