ヤンキース田中将大投手(28)が、アストロズ戦でメジャーワーストの8失点、自己最短タイの1回2/3で降板した。ジーター氏の背番号「2」永久欠番式という華やかな舞台で、今季最多の観客動員4万7883人で膨れ上がる客席から、まさかのブーイングが浴びせられた。

 立ち上がりから大乱調だった。1回だけで満塁弾を含む3本塁打6失点。2回も1番スプリンガーにこの日2本目となるソロを浴び、最後に昨季まで同僚だったベルトランに11球まで粘られた末の二塁打で8点目を追加され降板。厳しい表情でベンチに戻る田中に、地元ニューヨークのファンは容赦なかった。

 田中は淡々と「そんな深刻な悪さではなかった。だからこそ相手に完全に、上回られた。それだけですね」と振り返った。1試合4被弾も自己ワーストタイ。しかも満塁弾は、今季まだ本塁打ゼロの新人ブレグマンに内角低めスプリットを左翼席に運ばれたものだった。捕手サンチェスは「試合前のブルペンでは非常に良かったが、試合では変化球にいつものキレがなかった」と話した。

 本拠地では昨年6月から9連勝中だったが、リーグトップのチーム打率を誇る相手打線にのみ込まれた。ジラルディ監督は「スプリットとスライダーはまったく使えないも同然だった。体(肘)に問題はないが、今季は悪いときは非常に悪い。原因を探っている」と心配な表情だった。ブーイングを経験した田中は「自分がそういう投球してるから、されて当然」と、冷静に受け止めていた。次回登板へ「もちろんやらなければいけないことはある」と立て直しを期した。【水次祥子】