ツインズが史上初の快挙を成し遂げた。

 インディアンス戦には2-4で敗れたものの、ワイルドカード(WC)を争っていたエンゼルスも4-6でホワイトソックスに延長10回サヨナラ負け。

 ツインズが第2WCとして、10年以来となるポストシーズン進出を決めた。

 ツインズは昨年、大リーグで唯一100敗以上となる103敗(59勝)を記録。首位インディアンスから35・5ゲームもの差をつけられ、ア・リーグ中地区最下位に沈んだ。

 それからわずか1年。前年に100敗以上したチームが、翌シーズンにポストシーズン進出を果たすのは史上初という快挙を成し遂げた。

 今季も7月終了時点では50勝53敗、勝率4割8分5厘の地区3位。夏場までのチーム状況は微妙だった。そのためウエーバーにかけずにトレードができる期限の7月31日までに、守護神キンツラーをナショナルズに、先発左腕ガルシアをヤンキースへと放出した。

 この時点ではポストシーズンのために補強するのではなく、移籍市場で「売り手」となって来季以降のチーム作りを優先させたのだ。

 MLB公式サイトによると転機は8月にあったという。ポール・モリター監督(61)は1~2日にペトコパークで行われたパドレス戦のチーム・ミーティングで、ホワイトボードに「No retreat, No surrender(後退はしない、降参もしない)」という言葉を書き込んだ。

 サンディエゴの港付近を散歩していた時に聞いていた、大好きなブルース・スプリングスティーンの曲「No surrender」から引用した一節だった。

 これで「絶対にポストシーズンをあきらめない」とチームは一丸となった。8月を20勝10敗と一気に持ち直した。チームトップの33本塁打、90打点でツインズをけん引しているブライアン・ドジャー内野手(30)は27日の試合後「人生の中で、これほど仲間を誇らしく思ったことはないよ」と話した。

 10月3日に行われるWCゲームでは、ヤンキースと対戦する可能性が高い。最後にポストシーズンに進んだ10年のア・リーグ地区シリーズで0勝3敗と完敗させられた相手だ。今度は、その借りを返す番だ。

 モリター監督は「ウチには上り調子の若手と、精神面でチームを引っ張るベテランがいる。全員が力を合わせて勝ちとった結果に、とても興奮しているよ。さあ10月だ。ここからは何が起こるか、だれにも分からない」とポストシーズンでも波乱を巻き起こす意気込みを示した。