米大リーグ・エンゼルスに移籍する大谷翔平投手(23)が25日、日本ハムの本拠地・札幌ドームで記者会見を行った。スタンドとグラウンドの一部は無料開放され、約1万3000人のファンが見つめる中、在籍した5年間の感謝の思いを直接伝えた。

 大谷の父徹さん(55)は、旅立つ息子へジョーク交じりにエールを送った。「好きな道を選べるのはうらやましいと思う。頑張って欲しいと思いますね。僕はサラリーマンだし、やりたくない仕事もやってきましたから」。大寒波の影響で急きょ、陸路で岩手から札幌入り。母加代子さん(54)とバックネット裏で観覧し、夢の実現へと突き進む姿を笑顔で見届けた。

 ちょうど5年前の入団会見と重ねて「懐かしく思いましたね」と目尻を下げた。会見冒頭、英語のあいさつで沸かせた姿に「ギャグというか、笑いも忘れずにあって5年間でしゃべりもうまくなった」と成長を実感。息子を大きく育ててくれた日本ハム球団に「感謝の気持ちでいっぱい」と、あらためて頭を下げた。

 会見では、感謝の気持ちを伝えられた。「父親はずっと指導者という立場で接してきて、野球を教えてくれた最初の人。感謝しています。母は、やりたいと言ったことを全力でやらせてくれた。自分の決めたことをやりなさいと、やらせていただいた。感謝しています」。大きく、頼もしくなった息子の背中。徹さんは「向こうでやらなきゃいけないんでしょうけど、いつか日本に来られることがあるなら幸せですね」と感慨深げに見つめた。【田中彩友美】