「ファッションモンスター」のメロディーに乗って、エンゼルス大谷翔平投手(23)が、12打席ぶりの安打を放った。レンジャーズ戦に「8番DH」で出場し、第1打席で右前にクリーンヒット。人気歌手きゃりーぱみゅぱみゅの代表曲が打席前に流された最初の打席で結果を出した。

 ベンチには監督やチームメートの笑顔が並ぶ。球場のファンもザワザワ。大谷も照れたのか、打席で少しほほ笑んだ。5球目、メジャー240勝の44歳右腕コローンの直球を振り抜くと、右前へ鋭い打球が飛んだ。攻撃が終わり、ベンチに戻るとグータッチの嵐。「いいところに飛んでくれたので、良かった」と振り返った。

 他選手は名前とポジションのアナウンスだけ。大谷だけ毎打席、ポップな音楽が流れた。前日のミーティングでソーシア監督が、気分転換も兼ね「Jポップを流そう」と提案したという。大谷は「ただいじられていただけなんで」と少し笑いつつ「本当は僕の登場曲ではないです」と、シーズンでは別の曲を使うことを明かしたが、仲間からの愛情が感じられた。

 特別演出が功を奏し、ひとまず悪い流れから脱出した。2、3打席目は「タイミングとか、いろいろ難しかった」と凡退し、反省点は残った。13日の休養日も紅白戦形式の試合で打席に立つ。16日にはロッキーズ戦に先発する見込みだ。休みなしで大忙し。課題も多いが、チームメートが助けてくれる。そう思わせる12打席ぶりの安打だった。(本間翼、斎藤庸裕)