【アナハイム(米カリフォルニア州)10日(日本時間11日)=斎藤庸裕】夢が膨らむ1発だ。エンゼルス大谷翔平投手(23)がツインズ戦に「5番指名打者(DH)」で出場し、7回の第4打席で5号ソロを放った。右腕ヒルデンバーガーのシンカーを捉え、貴重な追加点をたたき出した。推定飛距離は126メートル。パワーあふれる打撃に、現地では日本人選手として初めてとなるMLBオールスターでのホームランダービー選出もささやかれ始めた。

 本塁打を放った大谷はベンチに引き揚げると、トラウトと握手をしながらお辞儀をした。「いつからですかね。覚えていないですけど、勝手になりました」と振り返るが、4月27日の4号後にも、同じシーンが見られた。仲良しのバルブエナも大谷に一礼するなど、日本の「礼」を重んじるような姿が、大谷の本塁打後の儀式としてチーム内で浸透している。

 大谷がメジャー野球への適応や文化の違いを理解するよう努めてきた一方で、チームメートにも日本文化を理解するような姿勢がある。「スタッフの方も選手の方も、すごくやりやすいように、自分が結果を出しやすいように、環境を整えてもらっているかなと思う」と感謝の気持ちを表した大谷。お互いの理解が二刀流の好スタートを支えている。