「5番DH」でスタメン出場したエンゼルス大谷翔平投手(24)が、日本人メジャー選手の1年目で最多となる19号本塁打を放った。同点の3回1死一、二塁、左腕ロドンから右中間席へ勝ち越し3ラン。06年にマリナーズ城島健司がマークした18本を抜く節目の1発を、3試合連発で決めた。

06年、マリナーズ城島は鮮烈なメジャーデビューを果たした。開幕戦で初アーチを放ち、2戦目にも連続本塁打を記録した。だが、その後は21試合連続ノーアーチ。はた目で見る限り、苦悩し続けたシーズンであり、間違いなく白髪が目立ち始めた1年だった。

強打の捕手として活躍したとはいえ、当時マリナーズの同僚だったイチローが「捕手ならでは」と評したように、常に捕手目線で試合を見続けていた。しかも、英語が不十分だけに、ベテラン左腕モイヤーら歴戦の投手陣とのコミュニケーションには気を使った。対戦チームのデータ、配球分析を含め、捕手として投手陣から信頼を得た上で、打撃で結果を残すことは、並大抵の労力ではなかった。

日本人メジャー唯一の正捕手・城島と「二刀流」大谷の本塁打数に優劣をつけることもできなければ、その必要もない。【MLB担当=四竈衛】