ア・リーグ地区シリーズ(5回戦制)の第2戦が行われ、ヤンキースがレッドソックスに快勝し、対戦成績を1勝1敗とした。先発した田中が、5回3安打1失点4奪三振と好投し、今ポストシーズン(PS)初勝利を挙げた。

宿敵レッドソックス相手にリベンジを果たした。「敵地で1勝1敗で(本拠地に)帰れるというのは、すごく大きいと思っていた。最高の結果になったと思います」。2回までに3点の援護を受け、3回までは細心の注意を払いながら無失点。4回裏、4番ボガーツにソロ本塁打を浴びたものの、最少失点で食い止めた。球数は78球。第5戦までもつれれば、中4日で登板する可能性を残す交代だった。

PSでは2004年以来、14年ぶりとなる宿敵との対決を心待ちにしていた。今季はレッドソックス戦4試合に登板し、1勝無敗ながら防御率7・58と打ち込まれた。9月20日の最終対決で5失点KOされた直後に「この悔しいままでは終われない。やり返したい」と、リベンジを宣言していた。

PS通算防御率1・50は、ヤンキース史上1位(先発5試合以上)。米メディアの間でも、大舞台に強い「ミスター・オクトーバー(10月の男)」と呼ばれるようになった。「プレッシャーとか、期待の中でプレーするのは、プレーヤーとしてはこれ以上ない、感謝するような場所に立たせてもらっている。僕はそれがいい方向に出ていると思う」。試合後は、敵地まで応援に駆け付けた、まい夫人ら家族とハイタッチした。【四竈衛】

◆ヤンキース・ブーン監督(田中について)「うまく球種を交ぜ制球できていた。(交代は)我々には上級の救援陣がいる。特にポストシーズンは、休日前であれば酷使を気にする必要もない。休日前はかなり積極的になるつもりだ」

◆レッドソックス・コーラ監督(田中について)「スプリットが前より良かった。前回の対決では、打線が球をよく見極めていたが、今夜は追いかけすぎた。彼はいい仕事をした」