3年ぶりの開幕投手なるか。カブスのダルビッシュ有投手(33)が、今キャンプ2度目のライブBP(実戦想定の投球練習)で、万全の仕上がりを見せた。

2イニングを想定し、延べ8人に対して安打性の当たりはゼロ。空振り2つを含む4三振を奪い、同僚の左打者ヘイワード、シュワバーらを圧倒した。「コントロールも良かったし、直球も強い球がいっていた」と納得の表情だった。

地元シカゴのメディアからは既に、今季の開幕投手の「有力候補」として期待される。「もちろんそれはうれしいことですし、光栄なことですけど、まだどうなるか分からない。ちゃんとケガをしないように考えていきたい」。開幕投手となればレンジャーズ時代の17年以来、3年ぶり。カブス移籍3年目で初となる。

制球力、奪三振率ともに抜群だった昨シーズン後半の状態から、感覚を継続できている。この日の投球では「去年、得た感覚というのが今年もちゃんとあるかというのを確認したい」と、左打者への外角直球とスライダーの精度をテーマとした。1イニング目で直球は97マイル(約156キロ)をマーク。意識通りに、外角から鋭く変化するスライダーで左打者のシュワバーから空振り三振を奪った。「今日はほぼ完璧でした」。手応え十分だった。

今後は29日(同3月1日)のブルワーズ戦に先発予定。昨年のオープン戦初登板の際はケガで苦しんできた肘に対して不安もあった。だが今年は「痛みがどうっていう不安はない」。強い腕の振りで直球には威力があり、だからこそスライダーも横に、縦に鋭く曲がる。まだ実戦ではない段階でも、状態は「思っている以上にいい」。その言葉通り、迫力のある投球だった。(メサ=斎藤庸裕)

◆カブスの先発とチーム状況 17年から3年連続で開幕投手を務めているベテラン左腕レスター、2年連続2ケタ勝利の右腕ヘンドリックス、4年連続2ケタ勝利の左腕キンタナらが先発ローテの軸として期待される。昨オフは大型補強こそなかったものの、内野手では三塁手ブライアント、遊撃手バエス、一塁手のリゾ、外野手は昨年38本塁打のシュワバーら主力メンバーが健在。17年以来3年ぶりのナ・リーグ中地区制覇を目指す。