【オークランド(米カリフォルニア州)23日(日本時間24日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(26)が、豪快な1発で22打席ぶりの安打をマークした。「5番DH」で出場したアスレチックス戦の3回1死二、三塁。中堅左へ今季最長の439フィート(約134メートル)の5号3ランを運んだ。自己ワーストを更新していた連続無安打は21打席でストップ。第4打席では左腕から右前打を放ち、4打数2安打。前日から続けた打席での工夫が、ようやく結果に表れた。

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ベンチで仲間に迎えられ、大谷がやっと笑った。2点を追う3回1死二、三塁。モンタスの高め95・3マイル(約153キロ)のシンカーを引きつけて、捉えた。「チャンスだったので、まずは打ててよかった」。22打席ぶりの安打は、持ち味でもある中堅から左への打球でスタンドまで届いた。

無安打が続いた期間、気持ちの葛藤があった。「打ちたい打ちたい、そういう気持ちの方が先行している状態だった」。開幕から二刀流で期待されながら、故障で今季の登板を断念。打者でもチームに貢献できない日々が続き「いっぱい期待して使ってもらって、そこに応えられていない。1打席1打席、大事にできていないところもあった」。安打ほしさに冷静に技術を見つめられず、雑なスイングにもなった。

現状打破へ、引き出しを活用した。不振の要因は「(ボールを捉えにいく)距離とタイミングがずれていた」。約1週間前、早出の特打で打撃コーチらに勧められ、これまでのすり足気味から右足を少し上げてタイミングを取った。「そういう打席も作った方がいいんじゃないかという中で、やりました」。今春キャンプでも取り組んだフォームを前日22日の試合から試した。軸足に体重を乗せて距離感をつかんだことで、ファウルや凡打の内容にも復調の兆しが出始めていた。

この日は第1打席の2球目から右足を上げ、本塁打の打席では従来の形でタイミングをとった。「強振したつもりはなかったですけど、しっかりと距離は出ていた。次以降につながる打席だったかなと思います」。ようやく得た手応えを継続し、確信に変える。